ゴロゴロしているとナースコールで呼び出され、陣痛を耐えるための部屋と言うのに通された。
その部屋はナースステーションの隣にあり、ベッドが2台ほどあった。
そこでまた陣痛促進剤を飲まされ、腹にペタペタとモニターの機械をつけられた。
何が行われているかは私にはちんぷんかんぷんだったが、よくテレビドラマなどでみる心電図のようなものが勝手に印刷されて出てきていた。
おそらく、胎児の心拍か陣痛の強さだろうなとボケっとしていた。
一通り、そのモニターを取るとまた病室で待機するように言われた。
部屋に戻ると我が妹ポンちゃんから大丈夫かーとLINEが来ていた。
彼女は経産婦の為、私の妊娠に対しては先輩面してくるのだ。
とりあえず、陣痛促進剤を飲んだことを伝えると、これからだな、苦しむぞ。と脅してきた。
しかし、今の私にはダラダラするしかできない。
あー。昼ごはん何かな。
そんなことしか楽しみがなかった。
ダラダラしつつ、1時間に1回、陣痛を耐える部屋へ行き、陣痛促進剤の錠剤を飲み、心電図みたいなのをとり、自分の病室へ戻るというのの繰り返しをしていた。
地味に部屋の行き来がめんどくさいなあと考え始めた午後3時過ぎ、だんだん、生理痛のような痛みが本格化してきた。
生理二日目の1番しんどい時のような腰の痛みがきた。
ええ。しんど。
とりあえず、横になりエビのように体を丸め、1番痛みがや和らぎそうなポーズをとった。
しかし、痛みはだんだん激しくなっていく。
先ほどまで、生理痛二日目の痛みだったのが、それに加えて下痢のような痛みも伴ってきた。
は、腹も痛い。
腰も痛いけど、腹も痛い。
それでも、陣痛促進剤を飲むのと心電図のようなものをとる為に、部屋を行き来させれられる。
痛みはずっと痛いわけではなく、本家の下痢同様痛みに波がある。
その合間に気分を紛らわせるためにLINEをするが痛い。
しかも、こんなくそ痛いのに、ポンちゃんは四つん這いになってヨガの猫のポーズをしろとLINEで指示してきた。
下痢のような痛みと生理痛の腰の痛みがあるような状況でそんなポーズ自殺行為である。
ああ、しんどい。
腰も腹も痛いよぉと思いつつもまた、陣痛を耐える部屋へ。
すると、助産師の人に浣腸しますか?と聞かれた。
確かに下痢みたいな痛みはあるけど、なぜに?
人によっては、出産の際に便意が気になってお産に集中できなかったり、お産が進んだりするらしい。
え、どうしよう。
痛みで朦朧とした頭で、必死に浣腸するかどうか考える。
気持ち的には浣腸なんてしたくない。
しかし、そんな気持ちと裏腹に、助産師が。
お通じはいつありましたか?と聞いてきた。
妊娠中に私は便秘気味になっており、5日に1回ペースでしかお通じは来ていなかった上にとんでもない便秘で苦しんだ経験もある。その時の苦しみは今考えても、出産の次にきつい経験である。
正直に私は、おそらく3日前くらいです、と痛みで朦朧としながらも答えた。
すると、私の予想通り、それであれば浣腸しておいた方が良いと勧められてしまった。
医療従事者にこの状況で浣腸を薦められて拒否できるほどの強い意志は持ち合わせていないため、じゃあ、お願いします。と答えた。
この時、コロナ禍ということもあり、ずっとマスク。陣痛に耐える間もマスク。
浣腸される時もマスク。
相手も手慣れているため、なんの違和感もなく坐薬が私の中に入ってきた。
すぐ、便意が来ますがすぐしないでくださいと注意された。
できる限り我慢して、薬を体内にとどめてから出してくださいと言われた。
もう、この腹痛が陣痛なのか本当の下痢なのかわからなくなって来ていた。
急いでトイレに駆け込む。今すぐにでも出したいし、便器はすぐそこなのに出してはいけない。
ああ、私は今までに何か悪いことをしたのだろうか。
何か他のことを考えなければ耐えれない。
ああ、今すぐにでもこの便器に座ってしまいたい。
相変わらず特大ナプキンは尻を右に左に行ったり来たり。
私がモジモジしているのに合わせて右に左に行っている。
ああ!蟹が食べたかったよう!!!!!
もう、無理!!!!!!!!!!!!!!
便器に座り用を足したものの、陣痛の腹痛が来るので全然爽快感はない。
ああ、もう何しても痛い。
なんで私はこんな目に遭っているのだ。
痛い。痛い。
もう、痛みで歩くのもしんどい。
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