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親に終活させたい娘の話3

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福岡在住のアラサー。旦那と1歳の子どもの3人暮らし。
コールセンター勤務。
私の経験を元にブログを執筆しています。

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エッセイ
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だんだん筋力が減ってきた祖父は立ち上がりが自分の足腰の力だけでは難しくなってきていた。

そのため、介護保険を使い、風呂場やトイレ、玄関などに手すりをつけた。

前まで、どこかしこに行きたがっていたがだんだん外出も億劫になってきたようだった。

実家には犬がいた。

その犬は祖父が老人会の人が、どうしても飼いきれなくなったから、という理由でもらってきた犬だった。

しば犬の雑種で無駄吠えもせず、抜け毛は多いものの物静かな年寄り犬だった。

その犬の散歩を毎日かかさず行っていた祖父だったが、もう、その散歩も行けなくなっていた。

犬はずっとベッドでテレビを眺める祖父の近くで眠っていた。

祖父が散歩に行けなくなった為、母が犬の散歩を行くようになった。

面倒は俺が見るからと言ったから飼い始めたのに、と母はぶつぶつ言いながら犬の散歩に毎日行っていた。

犬も、なんだか、この状況を察しているようだった。

祖父は大腿骨の骨折からすると、約1年ほどでかなり縮んで、膨らんだ後の風船のようになっていた。

しかし、頭ははっきりしているので、もどかしさがすごいようだ。

歯が痛いと言い出し、歯医者に連れて行き、入れ歯を作るも、入れ歯が合わないと言って、その入れ歯はすぐ使わなくなった。

母は、「10万もしたのに!」と本人には決して言わないが、私にありとあらゆる愚痴を言っていた。

そのため、私はこんなに多くもの祖父情報を知っているのだ。

違う歯医者に言って、ブリッジをしてもらったが、やはり、違和感があり、ご飯を食べたくないらしい。

ごぼうの煮たのなんかは、硬くて歯が痛くなるから食べたくないとクレームを入れられていた。

しかし、食の要望が多く、刺身だったら食べてやってもいいな~。と毎回母に刺身をリクエストしていた。

その為、母はよく刺身を買わされに行っていた。

祖父も母も福岡在住なのだが、祖父がある日、ゴマ鯖が食べたいと言い出した。

母は、食に疎く、もも肉とむね肉の違いもあまりわかっていないような人間なのだが、祖父がゴマ鯖を食べたいと言い出した時に「分かった、買ってくるね!」と言ってスーパーに行った。

ゴマ鯖なんて足の早いものがスーパーなんかに福岡と言えど売っているわけがない。

もはや、のび太のおばあちゃんの話のようである。

のび太のおばあちゃんでは、のび太とドラえもんがタイムマシーンに乗り、幼稚園の頃ののび太の元へ行く。

そこには、まだ生きていて、一緒に同居しているおばあちゃんがいるのだが、幼稚園ののび太はおばあちゃんに冬に花火がしたいので、おばあちゃんに花火を買いに行かせる。

しかし、冬に花火なんて売ってるわけないので、おばあちゃんは花火を探し回るが、見つからず、幼稚園ののび太に、花火を買ってこれなかったことを詫びるが、幼稚園ののび太は花火を手に入れることのできなかったおばあちゃんを罵倒するのである。

この、ゴマ鯖の件を聞いた際に、真っ先にこののび太のおばあちゃんを思い出す。

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